『ブン太〜、お菓子ちょうだい』
「いやだ」
ただいま部活帰りでお菓子を食べながら歩いているブン太と帰宅中の私、雨宮名無しさんです。
一応ブン太の幼なじみでもあり、彼女でもあるんだけど彼は私にもお菓子をくれない。
ブン太と幼い頃からいたせいか、私も根っからのお菓子好き。でも中学生になって体型とかを気にしだして、お菓子を常備しなくなった。
でも人が食べていると食べたくなるのが人間の性ってものだ。
『ちょうだい!私風邪ひいているんだもん!』
「だったらお菓子じゃなくて薬を飲むだろぃ」
ブン太の言っていることはその通りだ。だけど風邪をひいているのは本当だ。いつもブン太には言わないけどね、だって気付いてほしいじゃん。でも何だかんだ気付かれる前に治っちゃうんだけどね。
「ほら、名無しさんの家着いただろぃ」
あ、本当だ。全然気付かなかった。意地悪なブン太にムッと来たけど、これ以上言っていると本格的に風邪をひきそうなのでバイバイと言って家の中に入った。
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