PrinceU
□Loving
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お昼ご飯が終わったころ、太陽が高くなって12月とはいえ、窓際の私の席をポカポカと暖かく照らしている。私は今、必死に睡魔と戦っている。…もうすぐ負けるけど。
5限目は数学だった。数学の先生は青学でも上位に入るくらい恐れられている先生。私もそんな先生の授業に眠ってしまう程バカではない。そして眠たい目を擦りながら何とか6限目に突入。6限は優しそうなおじいちゃん先生の歴史。いつもは癒されつつ受けているが、この時間にあの先生は癒しを通り越して眠気に変わる。
『ほんのちょっとだけ……』
声に出していたのか、心の中で言ったのか、区別がつかないくらいの眠気。いつもだったら、この席が悪いとかこの時間にこの授業だからとひねくれた事を考えているが、そんな事を考えることもなく机に伏して眠りについた。
「……っ名無しさん…名無しさん!」
誰かに名前を連呼されながら身体をゆさゆさと揺すられている。せっかく人がいい気分で寝ているのに安眠妨害で訴えてしまおうか…そんなことを考えていると頭をペチッと叩かれた。
「起きろ」
渋々起き上がると学ランを着ている黒髪で猫目の少年。私はこの人のことをよく知っている。だって同じクラスだし、彼氏だし。
『リョーマ……。部活は?』
「終わった」
驚いて時計を見ると、いつもだったら外で部活終わりのリョーマを待っている時間をとっくに過ぎていた。
『私、そんなに寝てた?』
「部活行く前起こしたら、大丈夫って言ってたのに」
『…全然覚えてない』
「まあ、そんなことだと思ったけど」
迎えに来てよかった、とリョーマがひとつ溜め息を吐いた。我ながら呆れる。
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