PrinceU

□Say YES
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「名無しさん先輩、ドリンクいいっすか」



『あ、ごめんね』





今日のメニューは軽い打ち合い。とりあえずドリンクを作ってタオルを用意したら、やることがなくなってしまった。普段は目が回るほど忙しいので、あまり見られないみんなのプレーをじっくり観察していた。


そうしたところにスーパールーキーのリョーマくんがドリンクを取りにやってきたのだ。私は作ってあったドリンクをはい、と渡す。






『リョーマくんは打ち合いしないの?』



「桃先輩としてきたっすよ。あの人のパワーは疲れる」




はあ、と溜め息を吐いて左手の痺れを取るように上下にブンブンと振って私の横に座った。







ポカポカと穏やかな気候の中、そよそよと吹く風がとても心地いい。そしてスパーンと既に聞き慣れたテニスボールをラケットで叩く音。一年生も入部してきて活気が溢れている青学の男子テニス部。こんな強豪のテニス部のマネージャーをしているなんて何だか誇らしく思える。






しかしいつもと違ってやることがなく、ボーッとしていると私の中であるものが出現してくる。いや、みんなもそうでしょ?





『眠たくなってきちゃったー…』


「何すか、急に」



『だってこうも平和だと眠たくなってきたんだもん。何かびっくりすることないかなー…』




そう言って私は眠気覚ましに自分の目を擦る。まあ、当然の如くなくなりはしなかったけど。







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