『リョーマ、今日も好きだよー!』
「朝からうるさいっす、名無しさん先輩」
今朝も元気良くリョーマに愛を叫ぶ。別に付き合ってるわけじゃない。残念ながら私は片思い真っ最中。もちろんリョーマに!
「名無しさん先輩、俺も言ってほしいっす!」
リョーマの後ろにいた堀尾が言ってくる。ごめん、全然気がつかなかったよ。
『だめ!リョーマだけなの!』
ねー!とスタスタと歩くリョーマに叫ぶ。恐らく聞いてないと思うけど、声に出すことが大事。
「…どうだか」
『え、…もしかして疑ってる?』
「名無しさん先輩の好きは、どの好きなんすか?」
うん?リョーマの言ってることが分からないぞ。どの好きって何?そんなにたくさん種類があったっけ。
「おっはよー!名無しさんとおチビ!」
『あ、英二おはよ』
リョーマのよくわからない質問は英二の元気な声で消えてしまった。だって難しいことはわかんないもん。
「名無しさんは今日もおチビに告白したの?」
「うん、したよ!相変わらず相手にされてないけどね」
へラリと笑ってみせる。知ってる?実は意外とダメージ大きいんだぞ。
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