私と棗は何かと共通点が多いと思う。例えば同じ危力系で同じスペシャル。そして同じ命を縮めるアリスの形だったり。
お互い背中を合わせて戦うくらい信頼関係があった。そして私は棗に対して恋心が芽生えた。
しかし、気が付いたんだ。棗の視線は私ではなく、蜜柑に向けられていたことに……。
『棗は蜜柑が好きなの?』
気になった私はある日、棗に思い切って聞いてみた。棗は少し眉をぴくりと動かしたが、すぐにいつものポーカーフェイスに戻った。
「…は?そんなわけねぇだろ」
嘘つき、君を見てれば分かるんだよ。だって私は棗が好きだから…なんて言える勇気がない私は、そっかと曖昧な返事を返すしかなかった。
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