『ルーちゃん!』
彼と学園に来る前に出会った。俗にいう幼なじみになるのかな。ちなみに付き合ってないよ。
その時からずっとその呼び方。語尾に音符が付けながら言うと、より不機嫌になっている。
『ルーちゃん!ルーちゃん!』
同じ部屋にいるのに本を読んでいて遊んでくれない彼の名前を連呼する。あら、しつこい私にお怒りですか。綺麗なお顔が台無しになっちゃうよ。
「ルーちゃんって言うな」
『だって今さら変えられないよ』
そう言うとルーちゃんは大げさに溜め息を吐いた。ルーちゃん優しいもん、口喧嘩で私に勝ったことはないよね。
「さっきから呼んでたけど何の用?」
『私、自分のお部屋帰るの嫌になってきたの。そんな訳で今日はここに泊まります』
だって私の部屋より広いし、暖かいし、私はもうベッドに寝転がってしまったから帰るの面倒くさい。
「帰って」
『やだ』
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