AliceU

□心が揺れる
1ページ/3ページ






私が危力系だってことは極一部の人しか知らない。
最近できた中等部の彼氏にも言っていなかった。もう少し時間が経って信用してから言おう、と思っていたのに夜中に部屋にいない私を怪しんで別れを告げられた。







『棗、私振られた』



何かあったら私は決まって棗の部屋に行く。任務で失敗したときも彼氏ができたときも全部棗に話してきた。彼からの返事はそれこそ適当だったが、私の欲しい言葉を知っているかのようにズバリと言う。今日だってそうだ。






「あまり悲しそうに見えねぇけど」



確かに。悲しいかって聞かれたらそうでもないかもしれない。だって向こうが私を信用してくれなかったように、私も向こうに危力だって話さなかった。それって信用していなかったってことでしょ?





『好きじゃなかったのかな』


「どうだろうな。でも付き合ってすぐは信用出来ねぇだろ」



『きっともう少し時間が経てば変わったのにね』



でも振られたからもう遅い。まあ今さらどうでもいいが。







.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ