「名無しさん、今日も動物たちのところ行くでしょ?」
『うん、行きたい!』
ルカと付き合ってから放課後になると、彼と動物たちに会いに行くのが日課になっている。私はルカと同じく無類の動物好き。私のアリスは癒しのアリスなので、ルカの動物フェロモンのアリスが少し羨ましく思える。
最初のころはお互い恥ずかしくて、動物たちのところに行くだけで緊張して無言だった。しかし今ではどちらともなく自然と手を繋げるように。ぽかぽかの日だまりの下で隣で手を繋いでいる彼を見てそう考えると、成長したなって思い、ふふっと微笑んでしまう。
「何、笑ってるの?」
『幸せだなって!』
ざっくりとした言い方だが間違ってはいない。ルカは俺もそうだよ、と柔らかく微笑んだ。
「ほら着いたよ!」
ルカがそう指を差す。その先にはたくさんの動物たちが出迎えている。
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