『え、休みなの?』
朝、教室に入って恋人である棗がルカといないことに気がついた。
どうしたんだろう、喧嘩でもしたのかな…なんてあり得ないことを思いつつルカに聞きに行くと、休みだよ、と一言。
棗が休みだと聞いて頭の中で悪いことがぐるぐると回る。
休みの原因ってまさか任務?いや、確か今日はないはずだ。
そもそも朝から任務なんて滅多になかったはず。昨日の夜は一緒にいたから夜中からっていうのもなさそうだ。
……え、何で詳しいかって?私も一応危力のメンバーだからね。秘密なんだけどね、表向きは特力だし。
あ、少し話がずれてしまった。
『何で休むとか言ってなかった?』
「風邪だって」
勿体ぶらずに早く言ってほしかったなあ、ルカ。変な心配しちゃったじゃん。
まあ、性格悪く思われちゃうから言わないけどさ。…って思った時点で既に悪いけど。
『じゃあ、私も休むね。ナルに適当に言っといて!』
私はルカの返事も聞かずに教室を飛び出した。
その時蜜柑とすれ違って、おはよ!と言われたけど私はまた明日!と応えた。
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