AliceU

□預けてあげる。
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人殺し、と後ろ指を差されても気にならなくなってしまった。慣れって怖いなと改めて実感。その考えは危力にいる限り、逃れられないと理解したからかもしれない。




そんなとき、彼が私の前に現れた。




『…黒猫さん、だっけ?』


「棗だ」




ああ、そうそう。そんな名前だったよね。なかなか人の名前って覚えられない。だって必要ないもの。





『どうしたの?任務の話?」



「お前、もう任務やめろ」



は…、何言ってんだ、こいつ。何で私があんたに指図されなきゃいけないの?何を知ってるんだ。




『理由は?」


「向いてない」


『ペルソナに向いてるって言われたことあるけど』



嘘つくならもっと上手くなろうよ。何を隠してるか知らないけどさ。






「名無しさんが好きだから」



…え、何今の。聞き間違い?うん、そうだよね。そうに決まってる。そうじゃなかったらただの妄想?





『てめぇも女なら少しは守られろ』




やっぱり聞き間違いでも妄想でもなかったみたい。
不意に降りかかってきた黒猫さんの言葉に少しキュンときたのは、恥ずかしいから秘密。






預けてあげる。
(私の背中を)
(よろしくね、棗)





-END-






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