AliceU

□以後、お見知りおきを
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逃げた続けていたのに、ついに捕まった。さすがアリス学園というべきなのだろうか。





「やっと見つけたよ、名無しさんちゃん。アリス学園にようこそ」



私の担任と名乗る金髪のオカマみたいな人。私はさっきこの人に捕まったの。おかげで気分は最悪。よりによってフェロモンなんかで捕まったんだから。






「あらー、ご立腹かな?」


『いえ』



別に怒っているわけじゃない。ただ不機嫌なだけ。逃げ切りたかったな、って。いつになったら追われずに済むかは変わらないけど。







「本当はクラスから紹介するんだけど、今は能力別の時間だからそっちから紹介するね」



無駄に笑顔を振りまかれつつ、オカマさんの後をついていく。もう学園に入ったんだからもう逃げない。今から私のモットーは郷に入っては郷に従え、にしよう。








向かっている途中にオカマさんが名無しさんちゃんのアリスは珍しいから特力なんだよー、って言ってきた。そうなんですか、って言ったけど半分くらい意味が分からない。






「ここが特力の教室だよ。じゃあ僕はここで〜」



え、中に入って私の紹介とかしてくれないの?そう思っている内にオカマさんはいなくなってしまった。目の前には特力って教室の扉。





『やっぱり入るべきだよね…』



戻ったって帰る場所はないんだから。だったらせめて進めばいい。私は覚悟を決めて扉に手を掛けた。





「あれ、見かけねぇ顔だな」



まだ扉を開けてないのに声がした。後ろを振り返ると帽子を被った男の人。





「新入生?初等部だよな?特力に入るのか?名前は?」



質問が多すぎて答えが追いつかない。とりあえず全部あっているので頷いて、雨宮名無しさんですと答えた。






「俺は安藤翼。ちなみに中等部で特力だから!これからよろしくな、名無しさん!」









以後、お見知りおきを
(ニカっと微笑まれたら)
(私の何かが落ちる音がした)





-END-




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