AliceU

□これが日常です
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『ん、は…っ』



たまに呼吸をするタイミングで苦しい、と言っても棗は知らん顔でまた柔らかい唇を落として私の呼吸を止める。






事の発端は私が待ちくたびれて棗の部屋で寝ていたから。最初は組み敷かれたことを思いっきり拒否したら棗が超がつくほど不機嫌になった。それを見兼ねて私はキスならいいよ、と一言。






『も、無理、』


「お前が言ったんだろ」



そうだけど、と反論したいが、頭の中に酸素が届かなくてクラクラしてきて言えない。徐々に棗の服を掴んでいる力が弱まる。






「体力なさすぎんだろ」


『棗が、あり過ぎるのっ』



ようやく唇だけは離してもらえて肩で息を整える。キッと棗を睨んで見たけどフッと笑われた。






「逆効果」



ムカつくくらい赤く艶目かしい瞳。何度もこの瞳に飲み込まれてきた。だって見つめられたら終わりだから。どんな誰だって落ちると思う。まあ、落とさないでほしいけど。落ちるのは私だけにして、そう思いながら棗に身を任せた。








これが日常です
(体力もたない…)




-END-




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