スターダスト
□貴方のキスで目覚めた
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初校長に言われたあの日以来、任務は格段に増えた。しかも分かりやすいように棗を中心に。ここまで来ると、嫌がらせとしか思えないな。近いうちに私の言っていることを理解する、ってこういうことなのね。
毎晩のように任務に行くみんなの帰りを待っているせいか、夜中に初校長に呼ばれることがなくなった。それがいいことなのか、悪いことなのか分からない。でも初校長のそばにいないと、危力のみんなが大変になる。どうすればいいのだろう…。
「おい、名無しさん…!」
『っうわ、びっくりした!』
任務終わりの治療も終わって寮に棗と帰っているとき、どうやら私はボーッとしていたらしい。棗が何回も呼んだらしいが、全く気がつかなかった。
「ちょっと俺の部屋、寄ってけ」
『棗、任務で疲れているから早く寝た方がいいんじゃない?』
「うるせぇ。いいから来い」
棗に言われるがまま、部屋に連れ込まれた。何か怒っているのかな。
『棗、何か怒ってる?』
「…何でそう思うんだよ」
だって明らか不機嫌そうだもん。そう思ったけど言うのはやめた。棗の考えていることなんか分からない。
「お前、何を隠してんだよ」
棗は不意に核心をつく。不意じゃないか。元から勘がいい方だもんね。
『何も隠してないよ』
これで何度目の嘘だろう。素直に言えたらどんなに楽かな。
「絡んでいるのは初校長だろ?」
一瞬バレたのかと思った。だけどそんなわけない。多分棗はカマをかけて話しているはず。
『何で初校長が出てくるの?』
「それは…」
ほら、よかった。棗には知られたくないもん。
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