スターダスト

□どちらが良いのかなんて、
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名無しさんが俺の前から消えると同時に任務がなくなるなんて絶対におかしい。そのおかしな原因を作ったのが学園ならば、名無しさんは学園に捕まっているのか?




任務がなくなった日、ペルソナに問い詰めたことを思い出した。最初は関係ないことだ、と言っていたけど、帰り際に名無しさんが決めたことだ、とボソッと呟いていた。




それから俺はずっと名無しさんを探している。心当たりなんてない。だけどかならず何処かにいるはずだから、見つけ出してやる。






「本当にどこにいるんだよ…」



北の森で一人溜め息を吐いた。いくら広い学園と言えど、これだけ探し回っても見つからないなんて。





「いつまで探し回っているつもりだ」



瞬間移動のアリスストーンを持っているのか、俺の目の前にいきなり初校長が現れた。余裕綽々のその顔がイラつく。俺は何も言わずにその場から離れようとしたが、初校長の言葉に足が止まった。






「名無しさんを探しているんだろう?」


「…居場所を知っているのか」


「知っているも何も、彼女は私の部屋にいる」




…は。まるで当たり前かのように話しているそいつに耳を疑った。何で名無しさんが初校長の室にいるんだよ。






「監禁か?」


「名無しさんの望んだことだ」



これか、ペルソナが言っていたのって。名無しさんが初校長の部屋に監禁されることを望んだ?ふざけんな、そんなことあるわけねぇだろ。






「何を条件にして脅した?」



きっと望まなければならない事情があったはずだ。脅されているとしか思えない。その内容は一体何なんだ。頭の中でいろいろな考えが浮かんだ。でもはっきり浮かび上がったのはひとつ。






「まさか…任務のことか?」



その考が当たったのか、初校長は怪しげな笑みを浮かべた。何だよそれ、何で名無しさんが犠牲になる必要があるんだよ…。俺はとことん自分の無力さを思い知る。






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