スターダスト

□もういっそ、くっついてしまえばいい
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殿先輩を筆頭に、みんなが明日に備えて動き始めた。言い出しっぺである私も何かしたかったけど翼先輩に止められた。





「俺らはもう帰るから、お前は棗といろよ」



その言葉を合図にみんなが部屋から出て行った。急に部屋が静まりかえる。いきなり煩くなった鼓動が聞こえてしまいそうだ。






『私の考えに乗ってくれてありがとう』



鼓動を消すために言ったけどお礼を言いたかったのは本当。棗が乗ってくれたからみんなが頷いてくれたわけだし、明日実行できそう。





「でも本当にいいんだな?」


『いいの。アリスがなくなったのはきっとすぐにバレちゃうから、その前にやらないと』



本当はほんの少し怖いけど。成功しても失敗してもみんなとまた離れなければならない。どの道私はここにいられない。







「もしまたスタート地点に戻ったとしても必ず見つけ出す」



私の不安が伝わったのか、後ろからギュッと抱き締められた。棗の腕は力強くて、それでも微かに震えている。私も彼に答えるように身体を向けて抱きしめた。






「…離れたくねぇ」


『私も離れたくない』



でもそれはきっと叶わない。これも神様が与えた試練で運命なのだろうか。やっぱり惨い人。







「もし明日成功して学園から出て行くことになったら、大人になってから探しに行くから待っててくれ」



大人になってこの学園を堂々と卒業しなければ会えないんだ。改めてアリスを持つ人との距離を感じた。







『探しにこなくていいよ。私が卒業式に会いにいく。だからそれまで無理しないでね』


「分かってる」


『もう私のアリスはないんだから、怪我しても……』



え?何これ、ポケットが急に光出した。まるで私が使っていたアリスの光みたいに。あれ、これってまさか。ポケットの中に手をいれてみるとコツンと何かにぶつかった。






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