スターダスト

□紙ヒコーキ
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殿先輩たちは新聞部により詳しい結果を話すために屋上を出て行った。今いるのは棗とルカ、蜜柑に蛍。それと私だけ。しばらくすると、慌ただしくナル先生と岬先生が屋上にきた。






「名無しさんちゃん、すごい騒ぎになってるね」


『…すみません』



やっぱり怒られちゃうかな。もしかするとみんなも一緒に怒られちゃうのかな。でも私が勝手に巻き込んだことだから、ちゃんと言わないと。





「大変だったね」



助けてあげられなくてごめんね、と言いながらフワリとナル先生の手が降りてきた。何かの香水を使っているのか手首からいい匂いがする。うん、やっぱりこの人はモテる気がする。







「離れろ、ロリコン」



棗に無理やりベリっとナル先生から引き剥がされた。急に腕を引っ張るから私は棗の胸にゴンっと音を立ててダイブ。鼻をぶつけて痛い、と鼻を摩りながら言えば、ボーッとしてるからだろと返ってきた。






「おい、鳴海。雨宮に聞くことがあるだろ」


「そうだ、名無しさんちゃん、この学園を出てからどうするか考えてる?」




身寄りのない私は引き取りに来てくれる家族がいない。遠い親戚の名前も知らない。つまり学園を出て一人で生きて行くしかない。







『一応考えているんですけど…』


「聞かせてもらってもいいかな?」




私は今考えていることをゆっくりと話し始めた。それは空論にしかすぎないけど。それでもみんな真剣に聞いてくれている。






『…という具合にやりたいんだけど』


「分かった。じゃあそういう風に手続きをして手配しておくよ」


『え、いいんですか?』


「もちろん」




ナル先生はバチっとウインクを決めて岬先生と屋上を出て行った。えっと、本当によかったのかな。我ながら無茶なことを言ったと思うんだけど。






「気にしなくていいのよ。最後ぐらい学園に望みを叶えてもらいなさい」




私の考えを察したのか、蛍が呟いた。ルカもそうだよ、と頷く。そのおかげで少し胸が楽になった。








紙ヒコーキ
(飛んで行きましょう)





-continue-




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