スターダスト
□未来、笑顔を望む
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夕日が傾きかけた頃、私は棗と一緒に既に学園の門で待っているみんなのもとに歩いていく。その間、棗とは手を繋いでいるが無言。
門のところには大勢の人。私はこんなに心配されて、こんなに愛されているんだなーって実感する。私は迷わず先に、みんなと少し離れたところへ手を繋いでいる棗を引き連れて向かった。
『ルイさん、のばらちゃん、颯くん、八雲さん!来てくれたんですね』
久しぶりに会う危力の人たち。任務以外でこんなに集まるのなんて珍しいかも。
「ペルソナに聞いて来たのよ。アリスがなくなって出て行くんだってね」
『アリスを一気に消費しちゃったみたいで…』
あはは、と空笑いをした。我ながらすごいことをしたと思う。後悔はしていないけど。
「それよりお前が俺たちの任務をなくしたんだろ?そのお礼が言いたくてみんなで来たんだぜ」
颯くんから続々とお礼を言われる。のばらちゃんが美しくハラハラと泣いているから、もらい泣きしてしまいそうなのをグッと堪えた。
『わたしの方こそたくさん可愛がってもらってありがとうございました』
ぺこりと頭を下げてから顔を上げると、あらら、颯くんが涙目。そのまま私に抱きついてきそうなところを棗に腕を引っ張られて間一髪で避けた。
「もう堕天使じゃなくなったんだな」
颯くんが棗に文句を言っている中、八雲さんが急にボソリと呟いた。そう言われると嬉しいような寂しいような不思議な気分。みんなと関わりがなくなった気分になる。
「だから最初から言っていたでしょ。寧ろ天使でいいって」
懐かしい。ルイさんによくそんなこと言われていたっけ。いろいろ大変だったけどいい思い出だな。
「そろそろ私たちは行くわよ」
別れ際にさよなら、って言われそうだったのを私は慌てて訂正して言った。それを聞いたみんなは一瞬驚いたけど、すぐに私と同じことを言って去っていった。
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