お昼ご飯も食べ終わって、もうすぐ長い昼休みに終わりを告げるチャイムがなるそんな時間。
多くの生徒は足早に各々の教室に向かうが、しかし私はみんなとは違う方に向かっていた。
途中で先生に出会わないように迅速に階段を駆け上がり、重たいドアを開ける。
心地よい昼下がり。
彼の昼寝場所には申し分ないと思った矢先、やっぱりいた。
『リョーマ、サボり?』
「あ、名無しさん」
私の大好きな彼、越前リョーマ。
そして彼も私のことを好きでいるはず。
それは自惚れではない。
だって付き合っているのだから。
「名無しさんもサボり?」
『違うよ、リョーマを探しに来たの』
「じゃあサボりだね」
言葉が巧みな彼のせいで私もサボりということにされてしまった。
まあ、リョーマといれるなら何でもいいんだけどね。
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