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□5限目
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教室の窓際。そこの一番後ろの隣の席。そこが私の席。
今は、最初の午後の授業。窓からポカポカと暖かな日差しと心地いい風が入ってくる。それと一定のトーンで板書しながら、黒板に向かってスラスラと話す先生の声が私の睡魔を掻き立てる。




でもやっぱり寝ない。



真面目だからって訳じゃない。この先生の授業は寝てようが何をしていようが、別に怒られない。クラス大半が寝ているように、私も寝るような生徒。だけど、この席になってからはどの授業も寝れなくなってしまった……。







原因は隣の席の男の子にある。ちらりと窓の方を見れば、無防備な端整な顔。窓から入ってくる風に髪をなびかせて、スヤスヤと夢の世界に入っている。まあ、彼は基本的にいつも寝ているけどね。






彼は越前リョーマくん。彼が隣になってから、私は授業中に一睡も出来ない。それは隣の席だからこそ見れる、彼の無防備な表情を見たいから。






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