そのいち

□タイミング
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『棗なんか大嫌い!!』



この前の喧嘩で思ってもないことを言ってしまいました。私、雨宮名無しさんです。





事の起こりは、私のただの嫉妬。


だって棗が蜜柑と仲がいいんだもん。その嫉妬を棗に、妬いてんだろ?と指摘されて恥ずかしくなってそんなことを言ってしまいました。






「そんなに落ち込んでいるなら、はよ仲直りすればいいやんか!」



教室でまだ落ち込んでいる私に、決して何にも悪くない蜜柑が背中をドンッと押してくれる。




『だって…今、棗に完全無視されてるんだもん…』


「名無しさんからも喋ってないやん!」


『どうせ無視されちゃうもん…。何か謝るタイミングが分かんないよ…』



1週間ぐらいぐずぐずとしている私に、黙って聞いていた蛍姉さんはご立腹。



「ぐずぐず言うんじゃないわよ。さっさと行ってこい」




バカン銃で教室を追い出されて、どうしようかと悩んだ挙げ句…重い足取りで棗の部屋に向かった。





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