そのいち

□無自覚さん
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『……な、つめぇ…』



今は夕暮れ時。いつもは煩い教室には棗と私しかいない。



さっきからずっと、棗から深くて甘い甘いキスが落ちてくる。
苦しくても離してくれない。既に私の身体中の力が抜けて立てない。しかし、崩れ落ちることも許してはくれない……。




理由は分かってる。私が中等部の人に呼び出されて告白されたからだ。
それが何らかの手段で彼に伝わったんだろう。





でもね、ちゃんと無理ですって、お断りしたんだよ……?






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