何日も帰れない任務が続いた。こんな時1番思うことは、やはり彼女である名無しさんに会いたい。
何日も帰れないと名無しさんに伝えてあるが、実際帰ってこないということできっと不安にさせている。
やっと終わって帰ってきた。
会いに行こうと思ったけど、疲れ果ててボロボロの身体。とりあえずシャワーを浴びてから行こう。
そう思って、久しぶりの踏み入れた真っ暗な自分の部屋に入る。慣れたように手探りで電気のスイッチを探し、電気をつけた。
部屋を見渡し、帰ってきたと実感が込み上げてくる。俺にも帰れなくて寂しいという気持ちがあったんだと、つい可笑しくなってしまう。
行く前と何一つ変わっていない。床には読みおわった漫画本。机には飲みかけの飲み物。
「(まあ、変わっている方が変だけどな…)」
不意にベッドにも目をやる。スペシャルということで人より大きいであろう、自分のベッド。
行く前はぐちゃぐちゃだったはずなのに、今はピシッとしている。それよりもベッドからスースーといった規則正しい寝息が聞こえてくる。
一瞬戸惑ったが、その寝息の主がすぐに分かった。
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