そのいち
□ただの口約束
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今日はアリスストーンを作る授業。
何故か女の子たちは騒いでいる。
ただ作るのが楽しみなだけかな?
『楽しみだねー!蜜柑』
「そうやな!大きいの作れるかなあ!」
確かに楽しみだよね。
ちなみに私のアリスは水のアリス。
「ねえ!名無しさんちゃんは誰にあげるの?」
まだ名前を覚えてないんだけど
クラスの女の子たちに囲まれた。
男子たちの動きが一斉にぴたっと
止まった気がした。
『え、誰かにあげるの?
じゃあ…蜜柑と蛍と…』
誰かにあげるなんて知らなかった。
あと、迷っちゃうな…。
私が迷っていると、女の子たちがクスクス笑う。
「もー、違うよ!
好きな人にあげるんだよ!」
『そうなの!?』
「そうだよ!アリスストーンを交換するの。
そしたら将来を誓った仲になれるのよ」
将来を誓うって規模が大きい。
だから女の子たちは騒いでたんだね。
そんなこと、考えたことないよ。
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