二つの世界の者達

□今朝騒動編
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スコールを探す為に、廊下を歩く綱吉と満月。


「そういえば……今朝のヤツって、何が原因だったんだろう?」


スコールがいないか、廊下を確認しながら綱吉が疑問をこぼす。
すると、隣を歩いている満月が――


「知らないの?」

「うん、知らない」

「スコールが課題の洞窟に行こうとしたら、サイファーが勝負を仕掛けてきたんだって」


――…課題とは、SeeD試験を受ける為に必要な課題である。
そして、SeeDこそが……このガーデンに通う生徒達全員が目指すモノ。
バラムガーデンが誇る、最強の特殊部隊――
それが、SeeD。
SeeDという呼び名は、コードネーム。
任務の依頼があれば、世界各地へと派遣される。


「へぇ……スコール、まだ終わってなかったんだ」


意外だな、という感じで言う綱吉。


「意外だよね。スコールって、戦闘センスがズバ抜けてるし」

「リボーンも、興味持ってたな……」


――リボーンは、ガーデンの副学園長を務めている人物だ。
見た目は赤ん坊だが、実力は確かだ。


「この前、二人が戦ってるの見たよ」

「えぇ?! リボーン相手に、よく戦ったなぁ……スコール」

「リボーン、強いからね」


そんな、他愛ない会話を交わしながら……二人はスコールを探した――。
食堂、図書室、寮、訓練施設、中庭――…。
しかし、スコールはいない。


「はぁ……どこぉ??」


すっかり歩き疲れ、溜め息混じりに呟く満月。
隣には、同じく歩き疲れてしまった綱吉。


「どこにいるんだろう……」

「ん〜〜……保健室かな…」

「保健室? 何で?」


保健室は、まだ探していないが…。
スコールの性格上、理由も無く保健室にいるとは思えない。
そう思う綱吉から、満月に疑問が投げられる。


「ん〜。今朝の事で、スコールはケガしたらしいをだよね」

「……それを早く言えよ!!!」


ケガしたならば、保健室が当たり前。
思わず、怒りの声と抗議の言葉が出てくる。


「ゴメン、ゴメン♪」


綱吉とは裏腹に、満月は軽い謝罪を口にする。


「……ハァ…行こうか…」


満月を見て、怒る気も失せた綱吉。
もういい――そんな投げやりな思いで、満月を促す。


「りょーかい☆」


ニコッと笑い、敬礼をする満月。
そして、綱吉からは深い溜め息……。



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