二つの世界の者達

□事件発生編
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「見付けた…」


右目に眼帯をした少女が、囁くように言った。
そして、スッと手を伸ばし――


「…帰ろう?」


牛柄の服を着た、幼い子供に言った。
すると…――


「やだもんね! ランボさんは〜、モンスターを退治してやるんだもんね!」


その幼い子供――ランボは言い放つ。
そして、茂みの中へと入って行ってしまった。


「あ…!」


少女――クローム髑髏は慌てて追い掛けようとしたが…――
それは直ぐに、ピタリと止まる。
何故なら…――


「グオオォォォ!!!」


目の前に、恐竜のTレックスのようなモンスターが現れたからだ。
このモンスターは、アルケオダイノス。
訓練施設内にいるモンスターの中では、最も強いモンスターである。


「…!!!」


――声にならない驚き。

驚きのあまり、クロームは、思わず後退りする。


(…骸様…!!)


最も信頼する人物の名を、クロームは強く想いながら――


ジャキン!


スクールバッグから、三叉の槍を取り出し、構える。


(私も……)


――戦えるようにならなきゃ……。
そんな強い想いを胸に、クロームは三叉の槍を――


ヒュッ――!


頭上で回し、カッ!と槍で地を打つ。
その瞬間、ビキビキと音を立てて大地が隆起する。


「ガアアァァァ!!」


アルケオダイノスは、隆起する大地に足場を取られていく。
クロームが有利――と思われたが、


「…あっ!!」


――ガッ!


アルケノダイノスの尾が、クロームの体を強く打ち付ける――。
クロームの体は……軽々と宙に浮いた…。



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