二つの世界の者達

□事件解決編
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「さて…愛でてあげましょう」


ガッ…!と槍で地を打ち、骸は笑みを浮かべながら言い放つ。
――咆哮するアルケオダイノスに向かって。


「ガアアアァァ!!!」

「……まずは…無駄吠えをしないように躾る所からですね」


地につけていた槍を、少し浮かせて、もう一度、地を打つ。
すると、アルケオダイノスの口にツルが絡みつき――塞いだ。
ふわっ…と、ツルから蓮の花を咲かせて……。


「クフフフ。これで、無駄吠えは出来ませんね」


アルケオダイノスのは、ツルを外そうと暴れた。
しかし――


「静かにしなさい」


その一言で、アルケオダイノスの体中がツルに絡まれた――…。
ツルから逃れようと、アルケオダイノスは暴れた。


「クフフフ……仕上げです」


――ツルが、アルケオダイノスの首を絞める。
一層、アルケオダイノスは暴れたが…やがて、動かなくなった……。
そこへ…――


「骸…!!?」


満月達四人の重なった声が響いた。


「沢田綱吉……今頃、来たんですか?」


後ろにいる満月達の方を向く事なく、彼らに向かって話す骸。


「む、骸って…任務中じゃなかったっけ…?!」


平静に話す骸とは対照的に、綱吉は動揺の声。


「えぇ、そうですよ。ですが…クロームが危険でしたからね」

「!! クロームちゃんは…!」


呆然としていた満月だったが、クロームに反応にして声を上げた。


「大丈夫です。しかし、少なからず、ダメージを負っています」

「!! な、なら!直ぐに保健室に…!!」


顔を青くし、動揺する満月。
行き場のない手が、微かに震える。


「そうして下さい。僕は任務に戻らなくてはいけません……クロームを頼みますよ…」


――…少年の体から、少女の体へと戻る。
瞬間――グラッと少女の体が倒れた。


「!! 危ねぇ!」


とっさに、山本が受け止める。
お陰で、少女・クロームは地面に体を打ちつけずに済んだ。


「さすが山本!」


良かった、という笑顔を浮かべ、安堵した綱吉。
同時に、受け止めた山本へ褒めの一言。


「良かった……あ! ランボは!?」


安堵したのも束の間、満月はランボを思い出す。
再び、動揺や不安が四人に流れた――その時、


「ランボなら、スコールが発見したぞ」


何故か何故か(重要な為、二回)、地面からリボーンが。
実は、綱吉の家庭教師でもあるリボーン。
凄腕のヒットマンでもあり、偶然、任務先などで、彼の仕事ぶりを見たバラムガーデンの生徒の中には――
憧れている者も少なくない。


「!!!??」


一斉に驚く四人。
驚きの中、最初に言葉を取り戻したのは…、


「どっから出てきてんだよ!!」


意外にも、綱吉だった。
だが、綱吉はツッコミ役に回ることも多い為、さして、珍しいことでもないのかも知れない。


「つか、ここの造り、どうなってんだよ!!?」

「秘密だぞ☆」


キャラを変え、可愛らしく言ってくるリボーン。


「キャラ変えんな!!」

「じゅ、十代目! 落ち着いて下さい!」


叱咤し、黒くなりそうな綱吉の横で、彼をなだめる獄寺。
しかし、満月の一言で一気に鎮静化。


「ランボは…スコールが保護したの?」

「そうだ。スコールも、あの声を聞いて、ここへ向かう途中に見付けたんだぞ」


山本は元から黙っていたし、綱吉と獄寺も静かになったので、リボーンの声が良く響く。


「本当は、ここへ向かいたかったらしいが…ランボがいちゃ来れなくてな。悩んでる所を、オレが見付けたんだぞ」


恐らく、ランボの事だ。
あの咆哮に怯え、泣いていただろう。
そんなランボを、あのスコールが扱えるワケがない。


「今は…ランボは京子が預かってる。スコールは応接室に行ったぞ」

「まだ行ってなかったんだ……」


ポツリと、そんなことを溢しながら――
満月は、恭弥…怒ってるだろうなぁ、なんて思っていた――…。



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