アラウディの…部下?

□私の日課編
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【部下4!私の想いを】


あれから三日経ったが、知火の声が戻る気配はなかった――。


「…………」

「くぅん」


そんな知火は今、ボンゴレアジト内にある中庭に居た。
木に寄り掛かって座り、すぐ隣にはクールがおとなしく座っている。
あれ以来、クールは彼女の傍を離れようとしない。


「…………!」

「こんな所に居たのかい?」


突然現れたアラウディの問いに、知火は、コクリ…頷く。


「ふぅん……」


喋れない為、携帯を使って会話をする彼女。


《どうしたんですか?》

「別に。ただ通りかかっただけだよ」

《なら、少し話しませんか?》

「…いいよ」

《ありがとうございます》

「…………君、仕事は?」


アラウディも隣に座り、話し始めた――…。


《やってますよ。やる分には支障は無いので》

「そう」


――自分が、こんな状態なのに…君らしいかもね…。


《アラウディ様! 突然ですけど、好きです! 付き合って下さい!》

「! くす…やだよ」

《じゃあ、部下にして下さい!》

「いらない…」

「!!//////」


――笑った……アラウディ様が…。


「何?」

《何でも無いです!》

「ふーん。まあ…別に、いいけど」


……アラウディ様の笑顔って…優しい……。


「………?」


〜〜♪〜♪〜♪♪


――…不意に、携帯の音楽が鳴る。


「…!」

《私の携帯です。時間みたいなので失礼します》
「…………」


アラウディは思う――。
携帯が鳴った時間は、前と同じ時間。
つまり、彼女の心の傷が少しも……、癒えていない事に――。



×  ×  ×



クールと共に、警察犬訓練場を訪れた知火。
その瞳には、悲しげなクールが映っている――。


「くぅん………」


……きっと私なんかより、ずっとずっと辛いんだろうな………。


「…………」


クールは、いつもカミルとやっていた訓練を独りでにやり始めた――…。


(クール……)



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