アラウディの…部下?

□私の日課編
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【部下7!修行と】


ボンゴレアジト内にある、特別訓練場で――。
知火が、五〜六人の男達を相手にしていた――。


「う、上手くいかないっ…!」

「しっかり、力を使いこなして下さい」


見守る形で、Dが注意を促す。
そう――この男は、Dの作り出した幻覚。
その幻覚の男達と、知火は訓練中なのである。


「んと…嵐か雨で……」


まずは、嵐…嵐…の炎!


「おや…、嵐の炎ですね。中々いい判断です」


嵐の炎が、幻覚の男達を、あっという間に取り囲んでいく――…。


(相手は複数だから、一カ所に集めれば…)


考えを巡らせてゆく。


「ヌフフ……やり方は、悪くありませんね」


すっかり傍観者であるDは、客観的。


(次は、雨…雨…雨の炎…!)


ゴオオォォォ!!
雨の炎は、まるで津波のように……嵐の炎で足止めしていた幻覚を呑み込んだ――…。


「はっ……ぁ…はぁ……疲れ……た……」


――…ドサッ!!


気力を使い果たしのか、彼女は、その場に倒れてしまった……。


「どうやら、力を制御するのは、かなりの体力と気力を使うようですね――…」


しばらく経つと、知火は目を覚ました――。


「ん……?」

「起きましたか。気分は…どうですか?」


額に手を当て、Dは具合を尋ねる。


「少し…カラダが……だるい、です…」

「痛みとかはありませんか?」

「ナイ…、です」


ゆっくりと、知火はダルい体を起こす。


「それは良かったです。今は、力を制御しようとすると、気力の消費が激しいみたいですね」

「みたいです…。さっきも、眠ってしまいましたし……」


しゅん…とした顔で、知火は落ち込んでしまう。


「まぁ…それは仕方がありません。慣れれば、気力の消費を抑えられるでしょう」

「…訓練あるのみって事ですねー…」

「そういう事です」

「まだまだかぁ……」


遠いゴールに、溜め息混じりの言葉。


「そんな事はありませんよ」


優しい笑顔で言うD。


「へっ? でも……?」


少し驚いて、知火は目を丸くする。


「先程の戦い方は、とても良かったですよ?」


なでなで。
Dは、彼女の頭を優しく撫でながら言った。


「あ、ありがとうございます///////」


Dさんって、優しい…。


「明日も頑張って下さい」

「あっ、はい…!!」


Dの笑顔に、無邪気な笑顔を返す知火――。


(!!……ヌフフフ……)


無邪気な笑顔ですね……。
……中々…可愛らしいじゃないですか。
本人は、自覚していないでしょうが……。
―――ヌフフフ……彼には、少々もったいない気がしますね――…。



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