アラウディの…部下?

□私の日課編
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【部下12! Dの思惑】


突然聞こえてきた、あの音――。
蜘蛛を思い出し、知火は怯えた…――。


「……例の蜘蛛かい?」

「そ、そうです…これは、アレが歩いてる音なんです……」


目に涙を溜めながら言う彼女。


「ふーん…」


ジャキ!
アラウディは、手錠ではなく銃を構える。
この銃は、彼が普段仕事で使っている物だ。


「………!!」

「!!!!」


銃を構えてすぐ、巨大蜘蛛が目の前に現れた――。


「!! きゃあああぁぁぁ!!!」


蜘蛛も一瞬で糸を吐き、知火を糸に絡め、


「知火!!」


連れ去ってしまった――…。


「っ……!」


アラウディは急いで追い掛けたが、蜘蛛はあっという間に姿を消した……。


「………っ!」


仕方ないので、アラウディはアジト内をくまなく探す事に……。
一方……彼女は――。


サアァ……。


「…!?」


――蜘蛛が消えていく事に驚いていた…。
蜘蛛の姿は少しずつ消えていき、代わりに現れたのは――…。


「! D…さん…?」

「こんにちは、知火」


ニコッと笑うD。


「え…あ、こ、こんにちは?」


混乱している知火だが、とりあえず挨拶を返す。


「すみません、こんな事をして…」

「いえ…でも、どうしてこんな事を…?」

「色々ありまして……それより、この薬を飲んでくれませんか?」

「何ですか? それ」


Dが差し出した物は、薄い水色の液体が入った……小瓶。


「ヌフフフ…ちょっとした、お遊びですよ…」

「――? とりあえず…飲めばいいんですか…?」

「そうです」

「…………」


無言で薬の小瓶を受け取る知火……。
――あの事件の時の事もあり…飲む事をためらう。


(…薬……)


あの時の事が、少なからず思い出される――。


(でも……Dさんが持ってきた薬だし……)


――…覚悟を決めて、一気に飲みほすと……。


「っ……! 何か…頭がボーっとす…る……//////」

「知火、良く聞いて下さい。その薬は…ただ高熱を出し、少しの間だけ眠る薬です」

「ぇ……? なん、で…そんな…薬……//////」


そう聞かれ、Dがワケを話そうとした時…――。



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