アラウディの…部下?

□私の日課編
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【部下1! 私の日課】


ボンゴレアジト・特別会議室にて――。


「それでは、その地区は問題は無いんだな? アラウディ?」


金髪のマントを羽織った男が、報告書から視線を青い瞳の男に移し――念を押すように聞く。
聞かれた男は、彼と同じ報告書に視線を落としまま答えた。


「無いよ」


――…此処は、マフィアボンゴレのアジトで、今は守護者と呼ばれる幹部しか入れない、特別会議室で会議中である。


「そうか。では、例の件だが…」


この会議を仕切っているのは、ボンゴレのボスであるジョット。
さっきの金髪にマントを羽織った男とは彼だ。


「例の件ってのは…あのファミリーの事だろ?」

「あぁ。そうだ」


ジョットに発言したのは、彼の幼馴染みであり右腕であるG。
幹部の中では、最もジョットからの信頼が厚く、嵐の守護者と呼ばれる幹部。


「最近、何かと不審な行動が目立ちますからね」


彼は幻覚を扱う術師で、霧の守護者のD・スペード。
変わった髪型と、右目にスペードのマークがあるのが特徴的な男。


「あぁ。噂じゃ新薬を開発しているらしい」


マフィア間で聞いた噂を口にするG。


「新薬か…。だが、噂だけではな」


顎に手を当て、ジョットは困った表情を浮かべる。


「証拠が無いでござるな……」


そう呟くのは、四刀流使いの朝利雨月。
雨の守護者で、彼は幹部の中では唯一の日本人。


「証拠が無くては、動けませんね」

「はぁ……やだものね。物騒で……」


この弱気な少年は、御曹司のランポウ。
坊ちゃまというヤツで、臆病なのだが、雷の守護者を担っている。
ジョットの頼みは断れないという一面あり。


「アラウディ、証拠を掴めないか?」

「…難しいね」


最初にジョットと会話をしていた、秘密諜報部のトップ・アラウディ。
大抵の証拠は、雲の守護者でもある彼から手に入る。


「これも噂ですが、人体実験をしていると聞きました」


またマフィア間で聞いたであろう噂を、今度はDが口にする。
それを聞き、


「それは…究極に止めねば!!」


ガタン! と椅子から立ち上がり、大声を上げる元無敗のボクサーのナックル。
今は牧師で、晴の守護者。


「確かに何とかしなければならないが……」


――バン!!


ジョットのセリフは、乱暴に開けられた扉の音に消された。


「!!」


同時に、全員が扉の方へ視線を向ける。


「アラウディ様! 好きです! 付き合って下さい!」


視線の先には――
扉を派手に開けて入って来た、小柄で華奢な長い黒髪の女性――。


「……知火…いつもどうやって入って来てるんだ…?」


呆然とする一歩手前のジョットが、不思議そうに尋ねる。


「企業秘密です♪♪」


彼女――…知火は、イタズラっぽく笑って言った……。



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