アラウディの…部下?

□私の日課編
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声を失ってから、二週間――…。
アジトのジョットの部屋に――知火の姿があった。


(ボスが居ない内に……)


スッ……。
彼女は一枚の手紙を、ジョットの机の上に置いた。


(もう……此処には、居られないよね……)


辛そうな横顔を――クールは見ていた…。


「…………」



×  ×  ×



「? 手紙…?」


しばらくして――…。
部屋に戻って来たジョットは、机の上にある手紙に気付き…開けてみる。
ガサッ……。



――…ボスへ


今まで、ありがとうございました。
私が居ては、ご迷惑をかけると思います。
ですから、私はボンゴレを脱会します。

知火…――


「!!! Gー!!!」


ジョットが手紙を読み、Gを呼んでいる頃……知火は警察犬訓練場に来ていた。
もちろん、離れようとしないクールを連れて――。


(これでよかったんだ。だって、もし――)


もし―――……。


「わん!!」


――!! クール…。
クールは無言で、私の瞳を見つめる。


「!………」


分かってる。
本当にいいの? って言いたいんでしょう?
分かってる…分かってるよ……。
本当は、私だって脱会したくない――。
ボスも他の人も、皆いい人だから……。
……何より、アラウディ様とは離れたくない…。
でも…でも…、離れなくちゃ――。
アラウディ様の笑顔を見たからこそ……余計に――…。


「…………」


ニコッ――…クールは、知火の笑顔を見て頷く。


(ありがとう――)


彼女の気持ちを……感じ取ったのだ。
彼女の決意は――…自分では変えられないと――。
それに、理由さえも……クールは分かっているから――…。


(早く行こう…悲しくなってくるから…)


――知火が行こうとした、その時。


「待つんだもんね!!!」

「!!?」


突然、知火を呼び止める声。
彼女は立ち尽くす――…。
そして、ゆっくりと振り返った………。



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