アラウディの…部下?

□私の日課編
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「あの? 何でしょう?」


祝賀会の翌日、彼女はジョットに呼ばれて特別会議室にいた――。
もちろん、守護者全員が揃っている……。


「…知火が力を手にしてから考えていたんだが、守護者にならないか?」


ジョットからの衝撃的な申し出。
その瞬間、G以外の全員に動揺が起きた――…。


「ジョット……やっぱり、するんだな」

「あぁ、守護者なら前より傍に居やすい」

「確かに、そうでござるが……それには何か意味が?」


軽く首を傾げ、朝利雨月は尋ねる。


「知火が…」


ジョットが、意味を答えようとした時……アラウディが割り込んだ――。


「彼女が、マフィアに狙われる可能性が高いからだろ?」

「…その通りだ」

「知火は全ての炎が使え、それを完全に融合させる事も出来ます。その結果、どんな炎が出来るか……」


目を伏せ、顎に手を当てて呟くD。


「そういう事なら守護者にして、出来るだけ傍に居て守るのは…得策でござるな!」


納得したというように、いつもの笑顔を、朝利雨月は見せる。


「俺様、知火なら……守るものね」


自信なさげではあるが……そうランポウは言う。


「究極に素晴らしいな!!」


拳をかざし、ナックルは意気込む。


「……ジョット…決まったな」


スッと、Gはジョットへ視線をやる。


「あぁ、知火……そういう事だ」


自分を置いて、勝手に話が進んでいく。
彼女の頭の中は……混乱していた――。


「守護者にするなら、私達のような名前が必要でござるな!」

「それなら、既に考えてある」


フッと、ジョットは笑みする。


「何だよ?」


またGも、フッと笑みをしてみせる。


「知火は、全ての炎が使えるからな。“虹”の守護者だ」

「虹! 美しいでござる!!」


明るい、爽やかな笑顔になる朝利雨月。


「うん……いい名前だものね!」

「炎は、全て虹の色ですからね」

「…………」


また自分抜きで話が進む…進む。


「!!??」


こうして、虹の守護者が誕生した――。
当の本人である、彼女は唖然としているが……。
話が、とんとん拍子に進み過ぎて――…。


「…あぁ…言い忘れたが、これからは本格的に力を制御する訓練を始めて貰う」


思い出したように、サラッと言うジョット。


「え!!?」


いきなり、訓練ですか??!
…知火の動揺は、誰が見ても明らかで……。
すると、Dが――…。


「大丈夫ですよ」

「…?? と、言いますと…?」

「我々も……協力します」


知火を安心させるかのように、優しく微笑むD。
そのお陰か、彼女は少し落ち着いたようだった――。


「は…はぃ……」

「大丈夫だ。俺達がついてるからな」


ジョットも、安心させるかのように――微笑む。

「……ボス……」

「いつでも、俺達に頼ってくれ――」

「はい……!!」



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