アラウディの…部下?
□私の日課編
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ボンゴレアジトの特別会議室に入ってきた知火。
「アラウディ様! 今日こそ! 付き合って下さいますか!?」
目的はアラウディらしく、彼に輝きに満ちた視線を送る。
しかし、アラウディは怒りの混じった低い声で――
「煩いよ…」
因みに――彼女は、アラウディの部下……ではなく、ジョットの部下である。
「それがダメなら部下にして下さい!!」
「いらない」
食い下がる知火に、渋い顔で拒否するアラウディ。
…やはり、アラウディは少し怒っているようだ。
「テメェはジョットの部下だろうがぁ!?」
そんな間に、Gが割り込んだが、
「アラウディ様は照れてるんですね!」
知火の耳を空気のように通り抜けたようで――無駄に終わる。
「人の…話を聞けー!!」
「? 何怒ってるんですか?」
ようやく聞こえたらしく、意味が分からないという、キョトンとした顔をする。
「テメェ…」
「G…よせ」
怒りが爆発しそうなGを、ジョットが止める。
その様子を、ますます意味が分からないという顔で、知火は見ていた。
「???」
〜♪♪〜〜〜♪
――不意に、電子的な音楽が鳴る。
「???」
突然の音に、怒っていたGも含めた全員が不思議がる。
「? 何でしょう?」
ポツリ、と呟くようなDの一言。
に、答えたのは知火だった。
「あ。私の携帯です」
「知火の??」
と聞くランポウに、返事を返しつつも、知火は問題のケータイを取り出す。
「うん。時間になったから……」
「時間? 何かあるのか?」
理由が気になるのは当然というもので、ジョットは尋ねる。
「ん…まぁ……とりあえず、今日はこれにて失敬!」
はぐらかしたと取れる態度を残し、知火は走って部屋を出て行った――。
「何だったんだ…?」
――…Gが小さく囁いた…。
× × ×
アジトを出た知火は、町にある警察犬訓練場を訪れていた――…。
「こんにちは」
「おや? また来てくれたんだね!」
「はい。わんちゃんは居ます?」
「もちろん居るよ!」
この人は、カミルさん♪
警察犬を育ててるの。
と言っても、なりたての新人さんで、今の犬が初めて訓練する犬なんだよね。
若くて、金髪の格好いい人なんだ。
「クール! カモン!」
「わん!」
名前を呼ぶと、一匹のシェパードがカモンの足のすぐ横にやって来る。
「わんちゃん。今日も格好いいね」
そう言って、わんちゃんの頭を撫でれば、
「わん!!」
と、ちゃんと返事が返ってくる。
「知火ちゃん、名前で呼んでよ」
「わんちゃんが立派な警察犬になったら、呼びます」
このシェパードは今、カミルさんが訓練している犬のクール。
とっても格好いいんだ――。
だから――楽しみだったのに――…。
× × ×
カ「よしよし♪クール!」
しゃがむカミルに、じゃれるクール。
ところが、じゃれすぎて……。
「あ…押し倒された」
押し倒され、顔中を舐められたカミルだった……。