アラウディの…部下?

□私の日課編
2ページ/41ページ




ボンゴレアジトの特別会議室に入ってきた知火。


「アラウディ様! 今日こそ! 付き合って下さいますか!?」


目的はアラウディらしく、彼に輝きに満ちた視線を送る。
しかし、アラウディは怒りの混じった低い声で――


「煩いよ…」


因みに――彼女は、アラウディの部下……ではなく、ジョットの部下である。


「それがダメなら部下にして下さい!!」

「いらない」


食い下がる知火に、渋い顔で拒否するアラウディ。
…やはり、アラウディは少し怒っているようだ。


「テメェはジョットの部下だろうがぁ!?」


そんな間に、Gが割り込んだが、


「アラウディ様は照れてるんですね!」


知火の耳を空気のように通り抜けたようで――無駄に終わる。


「人の…話を聞けー!!」

「? 何怒ってるんですか?」


ようやく聞こえたらしく、意味が分からないという、キョトンとした顔をする。


「テメェ…」

「G…よせ」


怒りが爆発しそうなGを、ジョットが止める。
その様子を、ますます意味が分からないという顔で、知火は見ていた。


「???」


〜♪♪〜〜〜♪


――不意に、電子的な音楽が鳴る。


「???」


突然の音に、怒っていたGも含めた全員が不思議がる。


「? 何でしょう?」


ポツリ、と呟くようなDの一言。
に、答えたのは知火だった。


「あ。私の携帯です」

「知火の??」


と聞くランポウに、返事を返しつつも、知火は問題のケータイを取り出す。


「うん。時間になったから……」

「時間? 何かあるのか?」


理由が気になるのは当然というもので、ジョットは尋ねる。


「ん…まぁ……とりあえず、今日はこれにて失敬!」


はぐらかしたと取れる態度を残し、知火は走って部屋を出て行った――。


「何だったんだ…?」


――…Gが小さく囁いた…。



×  ×  ×



アジトを出た知火は、町にある警察犬訓練場を訪れていた――…。


「こんにちは」

「おや? また来てくれたんだね!」

「はい。わんちゃんは居ます?」

「もちろん居るよ!」


この人は、カミルさん♪
警察犬を育ててるの。
と言っても、なりたての新人さんで、今の犬が初めて訓練する犬なんだよね。
若くて、金髪の格好いい人なんだ。


「クール! カモン!」

「わん!」


名前を呼ぶと、一匹のシェパードがカモンの足のすぐ横にやって来る。


「わんちゃん。今日も格好いいね」


そう言って、わんちゃんの頭を撫でれば、


「わん!!」


と、ちゃんと返事が返ってくる。


「知火ちゃん、名前で呼んでよ」

「わんちゃんが立派な警察犬になったら、呼びます」


このシェパードは今、カミルさんが訓練している犬のクール。
とっても格好いいんだ――。
だから――楽しみだったのに――…。



×  ×  ×



カ「よしよし♪クール!」

しゃがむカミルに、じゃれるクール。
ところが、じゃれすぎて……。

「あ…押し倒された」

押し倒され、顔中を舐められたカミルだった……。



次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ