アラウディの…部下?
□私の日課編
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レインとの電話を切り、窓から空を見ていた知火。
そんな時――…。
「わん♪♪」
「え? わん??」
予想外の声に驚きつつも、彼女が足元を見ると……。
「わふっ!」
「わー!! 子犬だー!!」
可愛らしい子犬が尻尾を、ふりふり。
「なんでいるのー! でも、可愛いー!!」
なでなで。
知火は、そっ…と子犬の頭を撫でてみた。
「ふかふかー!」
「くうん♪」
良く見てみると、薄い茶色の毛色をしている子犬。
少しゴールデンレトリバーに似ているが、耳が立っているから雑種だろう。
かなり人懐っこい犬だ。
だが、首輪はしていない。
と、その時――…ぐうぅ〜。
子犬のお腹が鳴った。
「! お腹空いてるの?」
「わう……」
どうやら、空腹のようだった。
「んー。この子が食べれそうな物…あったっけ?」
……しゃがんで、冷蔵庫を漁ってみる。
「あ! これなら。わんちゃ…あぁ!!」
冷蔵庫を漁る為に、膝に置いていたチョコを子犬が持って行ってしまった。
そう、アラウディのチョコだ。
子犬は、チョコの箱をくわえて廊下へ――。
「ま、って!! 返してぇぇぇ!!」
走って逃げる子犬――。
だから、知火も走って追い掛けたが……。
「足、速い〜!!」
子犬は、あっという間に、何処かに行ってしまった。
「ウソ〜〜! もう居ない! 早く探さなくちゃ!!」
知火は、あちこち探したが……子犬は中々見付からない。
「ドコ行ったのぉ?!」
「何してんだ? 知火」
「あ! Gさん! 子犬見ませんでした?」
資料部屋に行く途中のGに、尋ねると――…。
「子犬?! テメェ…拾って来たのか!?」
Gの軽い怒声が返ってきた。
「違います!! 突然、キッチンに入って来たんです!!」
「んなっ?!」
子犬がアジトに入って来た事に驚く、G。
「その子犬が、アラウディ様のチョコを持って行っちゃったんです!!」
焦りから、ついつい説明する声が大きくなる。
「それで、探してんのかよ……」
呆れ顔で、Gは小さく呟いた――。