アラウディの…部下?
□私の日課編
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突然、頭の中に語りかけてきた声――。
知火は、言われるまま……応接室へ来た。
「来ましたね、知火」
「! Dさん! あの…箱は?」
足を優雅に組んで、ソファーに座るDにそう聞くと、彼はテーブルの上に箱を置いた――。
「あ!! 良かったー!!」
「やはり、知火のでしたか。子犬がくわえていたので、預かって置いたのですが…」
「そうなんです。くわえて行っちゃって……困ってたんです。ありがとうございます!」
ニコッと嬉し笑顔をする知火。
「それぐらい、大した事はありませんよ」
「…本当に、ありがとうございます」
深く頭を下げる。
「構いません。それより、彼に贈るのでしょう?早く行きなさい」
「あ……はい」
「…?」
× × ×
Dと別れた知火は、アラウディの所に行かず――食堂に居た――…。
「うん! 完璧♪ 後は、ボス達を連れて来るだけだっ♪」
ある物を眺め、確認する彼女。
と――…。
「わん♪」
「え? わんちゃん? ついて来たの?」
「わう♪♪」
すっかり懐いたらしい子犬。
「そっか。あははは♪ 可愛い♪」
「♪♪♪♪」
犬を撫でた後、知火はジョット達を呼びに行った――。
――…数分後、ジョット達を連れて食堂に戻って来た。
「!! これは……チョコケーキか?」
ジョット達が扉を開けた瞬間――目に入ったのは大きなチョコケーキ。
「大きいチョコケーキだものね!!」
とても嬉しそうに、瞳を輝かせるランポウ。
「こんなチョコケーキは、見た事が無いでござる!」
「究極に美味そうだ!!」
感心しながらケーキに歩み寄る朝利雨月、ナックルは拳を上に振り上げている。
「良く作ったな…」
呆れたような…感心したような……Gは複雑な心境。
「ヌフフフ……知火らしい」
「皆さんに、お世話になったお礼に作りました! ありがとうございます!//////」
無邪気な笑顔で、お礼を言う知火――。
恥ずかしいのか、照れているのか……。
…――頬は、ほんのり赤い。
「!!!///////」
全員の心臓が……跳ねた。
「味は、ビターにしてあるので…あまり甘くないですからっ!」
照れ隠しのように、微笑む……。
「……//////」
アラウディ以外の全員が、その姿に心臓を、ドキドキさせる。
「………」
ジョット達が顔を赤くする中――何故か、むすっ…としているアラウディ。
拗ねているように見える。
「…………」
果たして、アラウディが拗ねている理由とは――?