アラウディの…部下?
□私の日課編
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アラウディは、髪に触れていた手を止め…何かを取り出し――カシャン!
「へ………??」
アラウディが取り出した物――それは手錠。
そして、その手錠が知火の手にかけられている。
「…手錠!!?」
「くすくす……」
「あの! 外して下さい!!/////」
「やだ…と言いたい所だけど、いいよ?」
「本当ですか?!」
「ただし……手錠の鍵を、僕から奪えたらね」
意地悪な笑みで、意地悪っぽく言うアラウディ。
「そんな!!////」
「やらないなら、別に構わないよ? 手錠が外せないだけだから」
また黒い笑みのアラウディは楽しそうだ。
「うっ…ソレハ/////」
「どうするんだい?」
「わ、分かりました…や、ります//////」
「くす…そう。なら、始めるよ」
スッ――!
そう言うと、アラウディは鍵を手に持ち――頭より上に持ち上げた。
「――!!!」
アラウディの膝に乗せられている知火には、取りづらい位置だ。
それを分かってて、アラウディはやっている。
「ん〜!//////」
「くすくす……」
一生懸命、腕を伸ばしても取れない。
いや、届かないのだ。
今の体勢だと、身を乗り出さないと届かない。
しかし、手錠が邪魔で、手を使って乗り出せない。
なら、膝から降りればいい、と思うだろう。
ところが、アラウディが腰に手を回して抱き寄せている為、それも出来ない。
(届かないぃ……//////)
もどかしくも、届かない自分の手。
「ほら、早く取りなよ」
意地悪に、黒く…アラウディは急かす。
と…――
「アラウディ様ぁ…取れ、ない……です…///////」
瞳に涙を溜めて、上目遣いに甘えるような声――。
「――!!!」
スルッ……ポト。
知火の不意打ちに、アラウディは鍵を落としてしまった――…。
鍵は上手い具合に、彼女の膝に落ちた。
「…! 鍵!//////」
急いで、鍵を拾う彼女。
「………ハァ……」
まさか、あんな事するなんてね……。
……まぁ…知火は、自覚してないんだろうけど……。
「……外れた!/////」
…――だから、厄介なんだよね……知火って。
「…………」
彼女に負けた、アラウディだった――…。