アラウディの…部下?
□私の日課編
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警察犬訓練場のカミルとクールの訓練を、知火は眺めていた――。
「クール! グッド!」
「わん!!」
訓練が上手く出来たら、めいっぱい褒めるカミル。
喜びから、尻尾をはちきれんばかりに振るクール。
見ているだけで、知火を笑顔にさせる。
「♪♪」
私は、この時間帯に携帯が鳴るようにしてる。
何故なら、わんちゃんの訓練する時間だから……。
「カミルさんは、やっぱり凄いですね」
「そ、そうかな? でも突然どうしたの?////////」
不意に褒めれば、照れて赤くなりながらも、カミルさんは笑顔に。
「だって、クールとそんなにも心が通じ合ってるじゃないですか」
「あははは! 当たり前だよっ! クールが小さい頃から、ずっと一緒に居るんだから」
とても優しい笑顔で、カミルさんは嬉しそうにする。
「そっかァ。羨ましいなナァ…。私も、そんな犬に出会えるかな…?」
「出会えるよ」
カミルさんが、ニコッと笑う。
「…そう…かな?」
「大丈夫。知火ちゃん、犬が大好きだし、クールも懐いてるしね」
「ありがとうございます///////」
優しいよね…カミルさんって。
「うん!…僕にはね、夢があるんだ…」
突然――クールの頭を撫でながら、ゆっくりとカミルさんは話し出す。
「夢……?」
「そう。クールを立派な警察犬にする事が、僕の一番の夢なんだ!」
「カミルさんなら出来ますよ!」
「ありがとう! いつか…クールの名前を、この国では知らない人はいないってぐらいに立派で有名な警察犬にしたいな」
希望に満ちた目が印象的で、魅入ってしまいそう。
「私も、立派な警察犬になったクール…見てみたいです♪」
「頑張るよ! なっ、クール!」
「わんっ!!」
× × ×
その日の夜――…知火がボンゴレアジトで仕事をしていた時だった……。
「アラウディ様! ボスに言われて、書類を持って来ました♪♪」
「…………」
彼女の態度に、アラウディは少々イライラ気味。
「アラウディ様♪ 私と…」
――彼女が、いつもの台詞を言おうとした時だった。
バ―――ン!!
「!!」
――…よく響く乾いた音に、二人は驚く。
「……銃……声?」
瞳を丸くして、知火は囁いたが……。
突然、外から鳴り響いて来た銃声が――幸せな時間が壊れた音だと。
――…彼女は知る事になる…。