アラウディの…部下?

□私の日課編
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突如、アジト内に聞こえた知火の悲鳴――。
ジョットとGが、悲鳴のした資料室へと向かっていると。


「…! アラウディ! 朝利雨月!」


アラウディと朝利雨月が、同じく資料室に向かって走っていた。


「T世!貴方も、資料室へ?」

「ああ!」

「まぁ…悲鳴をあげたのが誰なのかは、分かり切ってるけどね」


冷静なアラウディは、悲鳴の主を分かりきっている。


「しかし! あの悲鳴は尋常ではないでござる!!」


四人は議論しながらも、資料室へと向かった――。
そして――…四人が資料室へ到着すると、既にナックルとランポウが居た。


「ランポウ! ナックル!」
「T世! 良かったものね!」

「おい!! 何…。!!」


何があったのか?
と――聞こうとした、G。
その時、知火がランポウに抱きついているのに気付いた。

「知火!! 何があったんだ!?」

「G! 待つでござる!!」


彼女に事情を聞こうとさたGだったが、それを朝利雨月が止める。


「何だよ!?」


焦りなのか、Gの声が荒々しい。


「知火は怯えているでござるよ!! 先ずは、名無しを落ち着かせるのが先でござる!!」

「!!!」


見れば、確かに知火は泣きながら震えていた。


「知火。とりあえず、俺の方を見てくれ」


ジョットは、彼女の頭を撫でながら話し掛けたが……。


「ぐすっ! ぐすっ……ひっく! ひっく!」


すっかり混乱状態で、まるで聞こえていない。
ランポウに抱きついたまま……ジョットの顔を見ようとしない――。


「………とりあえず、知火を医療室に連れて行ったらどうだい?」


見かねたアラウディが発言する。


「それは、究極にいい考えだな!! 医療室に行けば、落ち着くかもしれん!!」

「知火。立てる?」


抱きつかれている、ランポウが聞く。


「うっ……ぐすっ…!ぐすっ!」


……泣き続ける知火。
とてもじゃないが、立てそうにない。


「駄目でござるな……」

「知火……大丈夫だ。俺達が居るだろう?」


何とか泣き止ませようとするジョットだが、彼女は泣き止まず……。


「うっ…! うわあぁん…!!」


尚も、泣き続ける。
全員が疑問に思った。
何があったのか……と。
そんな中、アラウディが――


「――!!!!」


彼女をランポウから無理矢理引き離し、抱きかかえた。


「大人しくしなよ」



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