アラウディの…部下?

□私の日課編
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――…ある実験室にて。


ドサッ!


一人の男が、白衣を着た二人の男の目の前で倒れた。
しかし、二人の男は顔色一つ変えない。


「また…ダメでしたね…」

「あぁ……、誰かいないモノか…」

「これが成功すれば、最強の死ぬ気の炎を持った人間が生まれるのに――…」



×  ×  ×



ボンゴレアジト――応接室。
重く暗い空気の中……知火が口を開く…。


「わんちゃん……ちゃんと食べて?」

「…………」


虚ろとなった瞳に、彼女は移りすらしない。
ただ…クールは動かない石のよう……。


「…駄目ですね」


その様子から、Dはダメだと思ったが――知火の一言で思い直す。


「…クール」


今まで、ずっと無反応だったクール。
名前を呼ばれた瞬間、耳が、ピクッと僅かに動く。


「クール……クール……お願いだから…食べて…?」


――彼女は泣きながら、クールに訴えかける。


(……わぅ……)


それを聞いたクールは……少しずつだが、ご飯を食べ始めた――。


「食べたものね!!」

「おぉおぉ!! 究極に感動したぞおお!!!」


喜々する、ランポウとナックル。
思わず、ナックルは叫んでいる。


「煩せぇぞ!!」


ナックルが隣にいたGにしてみれば、煩いだけのようだ。


「ジ…G!お前も少し声がでかいぞ…」


しかし…ジョットに指摘され、うっ…と言葉を漏らし、Gは口を閉じた。


「よかった……」

「…用が済んだなら、早く医療室に戻りなよ」

「! はい…!」

知火は、アラウディに促されながら…また医療室に戻った。
そのまま入院の彼女は、夜も医療室で迎えた。
さすがのアラウディも、書類がある為、夜の医療室には彼女だけ――…。


「………ぐす」


医療室のベットで横になり、一人になった今になって涙が溢れる知火――…。


「…っ……カミルさん……」


ギイィ……。


「!! クー…ル…?」


…クールが突然、扉を開けて入って来た。
賢いクールには、扉を開ける事など簡単なのである。


「…………」


――入って来たクールは何も言わず…ベットに上がり、彼女の傍に、ちょこん…と座った。


「…? クール? どうしたの?」

「わう…!!」


首を傾げる彼女の服の裾を噛んで、引っ張るクール。


「あ…! クール…!?」


ぐいっ!ぐいっ!
クールは何処かに案内するかのように、ますます引っ張る。


「何処かに連れて行きたいの?」

「わん!!」

「!! 案内して…!!」


そう言うと、クールは引っ張るのを止め、知火の少し前を歩き出した。
彼女は…クールの後に着いて行った――…。
これは――カミルが亡くなった日の夜の出来事…。
クールは、彼女に何を伝えるのか――?



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