アラウディの…部下?
□私の日課編
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レイリオアジトの実験室に――知火の叫び声が響く。
「うっ…! あ!! ああぁー!!!!」
とてつもない激痛が、彼女を襲う――。
「あ゛あぁぁぁぁぁー!!!!」
――…身が焼けるような激痛。
何か熱いモノが、体中を巡っているような感覚と共に――…。
――それが数分続き。
「は……ぁ……ゴホッ! ゴホッ! ゲホッ!!」
「耐えた…遂に…遂に…最強の死ぬ気の炎を持った! 人間の誕生だ!!」
声を上げ、メガネの男が歓喜する。
「し……っ…き……ほ……の………ぉ? ゲホッ!!」
「素晴らしい! 君は実に素晴らしい!! この薬はね、全ての死ぬ気の炎が自由に使えるようになる薬!!」
すっかり興奮した……いや、同じく歓喜する若い男。
「しかも、異なる炎同士を完全に融合させる事も出来る! つまり、全ての特徴を持つ炎が出来る!」
歓喜が一向に覚めない若い男は続けて喋っていく。
「いや…もしかしたら、副作用が起きて、普通の炎には無い特徴だって生まれるかも知れない!!」
「………ハ………ァ……ゴフッ!!」
「早く調べてみなくては…!!」
と、二人の男が調べようとした時――彼女が。
「ん、あ!!!」
「!!?」
――…ドオオォォォン!!!
突然、嵐の炎が現れ、実験室をいとも簡単に破壊してしまった――。
「………!! あ…」
恐怖心なのか…分からない感情が――心を支配する。
ガタガタ、と体を震わせる彼女――。
その時――扉が勢いよく開き、彼女は震える体をびくつかせた――…。
「!!? これ、は…!!」
扉を開けたのは――…ジョットだった……。
後に続いて、GやD達が入ってくる。
「何があったんだ!!?」
「めちゃめちゃですね……男が倒れていますが、死んではいませんね。ただ…重傷ですが……」
ジャリ…!!
アラウディが、知火に近付く……。
また…彼女の体がびくつく………。
「…っ!!!」
「君が……やったのかい…?」
「…………っ……」
「…………」
彼女は何も……答えなかった――…。
ただ、ただ、震えて怯えるだけで――…。
顔を合わせようともしない――。