短編集(他)

□]]の気まぐれ…
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ザンザスに――…。


――俺の傍らに居ろ。


と、言われて………。
一カ月が経った……けれど。


「…………」


ザンザスは……私を、ただ傍らに置くだけ――…。
今も、私を傍らに立たせて――。


「………すぅ…」


椅子に座って寝てる。
ずぅ――っと、寝てる。
起きたと言えば、さっきスクアーロとか言う男が入って来た時ぐらい。
………何か…分厚い本を投げつけてたけど。


「……ねぇ」


あんまりにも退屈だから、声を掛けてみる。
すると、返事するでもなく…両目をうっすら開けた。
けれど、私の方は見ていない。


「……何で…私を、ただ傍らに置くだけなの?」


気にする程でもないので、そのまま話す。


「……気に入った、と…言っただろ」


以前、私の方を見ないザンザス。
声も低く、この部屋が静かではなかったら、聞こえないのではないか――。
…というぐらい。
因みに、此処はザンザスの部屋。


「……それだけ…?」


……私は、何を期待しているのだろうか?
でも、もっと……違うモノが欲しい――。


「………気に入った…以上のモノが欲しいのか?」

「…!!!///////」


――…ズルイ……。
そんな事を聞きながら、急に私の方を見るなんて。


「…………」


私が答えないものだから、尚も見てくるザンザス。


「……////////」


どのぐらい……見つめ合っただろう?
堪えきれなくなった私は、視線だけを逸らした。
それが、ザンザスは気に入らなかったらしく……。


がた!


――と、急に椅子から立ち上がるザンザス。
そして――。


「――!!?//////」


顎を持ち上げられ――ザンザスの顔の近くまで、引き寄せられた。
それは…本当に近くて――。
数ミリでも動けば、唇が…重なってしまいそう――…。


「…………」

「…離し…て///////」


真っ直ぐ見てくる、ザンザスに…――。
囁き声のような声を出すのが、やっとで――。
――私の囁き声のような弱すぎる発言は……。


「……はっ…!」


抵抗にもならなかったらしく、そう一言(?)で、あっさり払拭されてしまった……。
微かに、笑っているようにも見える。


「で…? 欲しいのか? 欲しくねぇのか?」

「〜〜////////」


…分かってる、って顔してる……だけど…――。


「…欲し…い…//////////」


見据えてくるザンザスに、私は……折れた。
その瞬間――噛みつくようなキス…――。


「ん!…ふぁ…///////」


少し乱暴とも言えそうなキスが――少し離れては、角度を変えて……が繰り返される。


「ザ……ン…///////」


苦しくなってきた、架燐。
少し離れた隙に、名前を呼ぼうとする。
ところが、今度は舌が加わり――。


「〜〜!!!//////」


一回のキスが長くなる
……余計、苦しい。
――…しばらくして、ザンザスが離れる頃には。


「はぁ…はぁ…//////////」

「はっ! こっちは、まだまだだな。架燐」

「……///////」


貴方は…――]]の気まぐれに救われ、愛され――。


「もう一度言う……俺の傍らに居ろ」

「……はい///////」


今日も、彼の傍に。



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