短編集(他)
□――を好きになった鮫
2ページ/2ページ
私が入隊して、一カ月。
ヴァリアーにも、大分慣れてきた。
一番の友達は、霧の幹部のフラン。
性格的に気が合うから♪
「フラン! かくまって!!」
「また何したんですかー?」
食堂でジュースを飲んでいた、フラン。
そこへ、架燐が慌てた様子でやって来た。
理由は、何となく想像出来たが……一応聞いてみる。
「訳は後で!」
「分かりましたー。じゃあ、静かにしてて下さーい」
そう言うと、架燐の姿が消えていった――。
幻かのように…――。
――彼女の姿が消えると、今度はスクアーロがやって来た。
「ゔおぉい!!架燐を知らねぇかぁ゙!!」
走って来たようだが、流石、ヴァリアークオリティー。
スクアーロは、息すら切らしていない。
「知りませんよー。何かあったんですかー?」
「アイツ……俺に刀を投げやがったんだぁ!!」
「…架燐も、やりますねー」
ナイスですー、架燐。
と思ったが……少しびっくり。
これは、フランでも予想外だった。
「てめぇ……下ろされてぇのかぁ!!」
「止めて下さーい。イジメですー。あ、それか、セクハラ」
「フラぁン!!」
ますます怒りが大きくなった、スクアーロ。
右腕に付いている剣を構えた時、笑い声が食堂内に響いた。
「あははは!!…はは…!!」
「!? 架燐か!!?」
「もう…ダメ…!! 我慢出来ない!! あははは!!」
スクアーロとフランのやり取りに、笑いを堪えられなくなった架燐。
隠れている事も忘れ、笑い続ける。
「バレちゃったじゃないですかー」
「あははは!! ゴ…ゴメン! ゴメン!」
その瞬間、フランの幻覚で隠れていた彼女の姿が現れた――。
「!! な、何笑っていやがる!!」
「だって! 子供みたいなんだもん! 隊長さんが」
二こぉと笑ってみせる。
「!! お、下ろしてやる!!////」
「!! い、言っておくけど、さっきのは、手が滑ったんだからね?!」
「んな事、知るかぁ!!」
「やばっ!」
身の危険を感じ、架燐は食堂を飛び出した――。
「! 逃がせねぇぞぉ!!」
彼女を追い掛け――スクアーロも食堂を飛び出す。
「!? しーつーこーいー!!」
心から叫びながら、廊下を走る架燐。
その後を、スクアーロが追い掛ける。
「待ちやがれぇ!!」
逃げる彼女と、追い掛けるスクアーロ…――。
「来るなー!! 拉致集団(鮫)隊長!」
「んだとぉ゙?!!」
スクアーロの速度が上がった!
「げっ! 速…きゃああ?!!」
「なっ!!?」
……足がふらつき、架燐は転んでしまった。
追い掛けていたスクアーロも、必然的に巻き込まれ――。
「…っ…!! いったぁ……」
「…っ…それは、俺の……。!!/////」
スクアーロの顔が、ほんの少し赤くなる。
何故なら――彼女に馬乗り状態になっていたからだ。
「隊長? どうし…ん!//////」
――…いきなり塞がれた口。
少しして、口は解放されると――…。
「ぷは…隊…スクアーロ…?//////」
「…好きだぁ////」
「!! ほんと…?//////」
「冗談で、こんな事言うか…//////」
「…じゃあ…もう一回して…?//////」
「あぁ…/////」
――再び塞がれる口。
…自然と、両手を絡める――。
そして……キスに酔ってしまったかのように……。
お互いに舌を絡めながら――…。
「ん…ふっ…//////」
何度もキスし…――。
「てめぇは…一生俺の補佐だ…架燐//////////」
鮫は…――イルカが好き――…。