遊び!遊ぶ!遊べ!
□出発編
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【遊1≠動け、運命よ!】
――今、風紀財団という組織のアジトの廊下を歩いている男が一人。
紫色のYシャツに、黒いスーツ。
黒髪の整った顔立ちの長身の男で、一般人とは違う突出した雰囲気を漂わせている。
だが、その肩には似つかわしくない可愛らしい黄色の小鳥が一羽。
そのふかふかの小さい羽を休めている。
「…………」
そんな彼は仕事帰りで、顔に出てはいないが、精神的に疲れている。
言うならば、早く帰って眠りたい…と言った所。
しかし、そんな彼は目の前の人物に寄って、眠りが遅くなるのだった――。
「やっと帰ってきたか、ヒバリ」
黒い帽子のボルサーノを被り、黄色のYシャツに黒いスーツ。
ボルサーノには、何故か、カメレオンが大人しく乗っている。
彼もまた、歩みを止めた彼同様、どこか突出した雰囲気を漂わせている。
「……何か用?」
ヒバリと呼ばれた、歩みを止めた男――雲雀恭弥。
不機嫌なオーラを隠しもせず、壁に寄りかかっているボルサーノの男に問う。
「そんなツラすんな。大事なことを伝えに来てやったんだぞ」
殺気すらあるんではなかろうか、という雲雀のオーラにも臆する事なく、ボルサーノの男・リボーンは答える。
彼の言葉に、ますます雲雀は不機嫌オーラを強めた――…。
「面倒事を持ってこないでくれる? 僕は忙しいんだ」
「そう言うな。お前に深く関わる事だぞ?」
「……………」
リボーンの言葉に、雲雀は黙り込む。
それをチャンスとばかりに、リボーンは話を切り出した――。
「明日、ディーノの所から、お前の部下として女が一人来るからな」
「!! いらない」
一瞬、表情に驚きが現れたが…すぐに雲雀は不機嫌オーラに似つかわしい、不機嫌な表情に。
「これは決定だ。異議は認めねぇ」
「…沢田綱吉のかい?」
「いいや、俺だ。…心配すんな、アイツの腕は確かだ。それこそ、俺かツナの部下に欲しいぐらいだ」
「なら、君の部下にすればいい。僕はいらない」
あっさりとした、淡々とした雲雀の口調。
冷ややか…涼しげな雰囲気というのが、ぴったりだろう。
「そうもいかねぇんだ。本人が、お前の部下じゃなきゃボンゴレには来ねぇと言ってきたからな」
「…………」
「そういうワケだから、よろしく頼むぞ」
用が済み、さっさと帰ろうとリボーンは歩き出した。
が、何故か数歩…歩いた所で足を止めた。
そして、雲雀に背を向けたまま――
「…ヒバリ。アイツの扱い…頑張れよ」
とだけ言い、また何事もなかったように歩き出した。
興味がないとは言え、雲雀は少なからず気にはなったが――
(……眠い)
眠気の方が勝り、彼は再び止めていた足を動かしたのだった…。
すると肩に乗っていた小鳥――ヒバードが、「ヒバリ!」と可愛く鳴いた――…。