遊び!遊ぶ!遊べ!
□好き好き編
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【遊2≠愛して止まない!】
――ペキッ…!
シャーペンの芯が折れた小さい音だったが、時計の音すら耳につきそうな静寂のこの部屋では、よく聞こえた。
しかし、いい音を立てて折れた芯は…何処へやら。
折ってしまった本人である雲雀は、カチカチっと芯を出し、また書き始める。
ところが――
ペキッ…!
「……………」
どうした事か、また芯が折れてしまった。
雲雀としては、ただ、仕事上のメモを書いているだけなので、さっさと書き終えたい。
が、二回も折れた芯に一抹の不安が。
(……嫌な予感がする)
――…確か、今日は跳ね馬の所から女が一人来る予定だ。
全く……勝手に部下にされて、いい迷惑だ。
(……早く書いてしまおう)
× × ×
さて、どうも。
日本の並盛に無事到着した、火野春桜です!
今は空港で、ボンゴレからの迎え待ち。
「おい。春桜」
おっと、どうやら来たようです。
来てくれたのは…リボーンさんか!
会うのは、ボスの家庭教師をしていた時以来かも。
「リボーンさん! お久しぶりです」
「あぁ。元気だったか?」
「もちろんです! 僕もボスも元気ですよ!」
「そうか。んじゃ、車で送って行くからな」
フッと笑い、リボーンさんはボルサーノを直しながら話す。
僕は「はい!」と返事をして、リボーンさんの後に続いた――。
「あ、僕って雲雀さんの部下ですよね?」
空港の建物から出て、車まで歩いている途中――僕は尋ねた。
歩きながらだけど、確認する為だし。
「心配すんな。昨日、ヒバリにも伝えたぞ」
「さすが、リボーンさん! えへへへ」
嬉しくて、ニコニコと僕は笑顔する。
「……しかし…すげぇな。一人称まで変えたのか?」
まだまだ歩きながら、僕達の会話は続く。
今回は、リボーンさんからの話題。
「はい! 少しでも未来の旦那様に近付きたくて!」
自信満々で答えたんだけど…――
「……そーか」
何故か、リボーンさんには苦笑されてしまった。
自分で聞いておいて、酷くないですか。