遊び!遊ぶ!遊べ!

□好き好き編
2ページ/4ページ




メモを書き終え、最も巨大なマフィア――ボンゴレの屋敷の廊下を歩く雲雀。
というのも、彼はボンゴレの雲の守護者と呼ばれる幹部。
ボンゴレのボスである沢田綱吉とは、中学の頃からの知り合いだったりする。
今回は、その綱吉からの呼び出しだった。
しかし…雲雀自身は束縛が嫌いで、守護者になった覚えはないとか…。
第一、彼の性格からして、誰かの下に仕える事が嫌悪するものだろう。


「………!」


突如――自分に向かってくる人の気配。
誰なのか確認する行動をすることもなく、雲雀は後ろからの気配に向けて――


ヒュッ…!!


彼愛用の武器である、トンファーを振り向き様に振り下ろしたのだった――…。
瞬間――獲物が当たる感触が雲雀に伝わった。


「ぐへ!!!」


当たったであろう獲物は、無様な声を上げ、床に叩きつけられた。
…――額を…。


「ぬあぁぁ!! 痛いしィィ!!」


はい! 無様な声を上げた張本人の春桜です…!!
今も上げてるけど…!
床に叩きつけられた額も痛いけど、トンファーを喰らった後頭部も激しく痛い!!


「……………」

「……………」


ちょっと…そんな目で見ないで下さい!
特に、リボーンさん!
ドン引きした、冷ややかな目は止めて下さいよ!


「リボーンさん! せめて、手を貸して下さってもいいじゃないですか!」


じくじくと、後ろも前も痛む頭。
大声を上げると、頭に響くんだけど!!


「あ、あぁ。悪りぃ」


やっと手を貸して下さったリボーンさん。
差し出された手を取り、引っ張って貰い、僕は立ち上がった。


「ぐへ。頭が、ぐわんぐわんする……」


立ち上がると、トンファーの衝撃のせいで、視界が揺らぐ。
少しよろけた僕を、リボーンさんが支えてくれた。


「…当たりめーだろ。ちったぁ、避けろ」


呆れ顔全開で、おまけに溜め息もつけて、リボーンは言ってきた。
けどね!!


「何を言ってるんですか! これは雲雀さんの愛情表現なんですよ!? 未来の妻としては、受け止めなくては!」

「……そーか。オレは妻になる前に、死なねー事を祈ってやるぞ」


あら、何だか正気のないお顔!
てか、死ぬだなんて失礼しちゃいますね!


「僕は、そんな簡単に死にませんよ!」

「……ねぇ、君…誰」


――愛しい人の声。
振り返れば、眉を八の字に寄せた――雲雀さんが。



次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ