遊び!遊ぶ!遊べ!

□嵐とケンカ編
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「…………」

「…! 雲雀さん!!」


黙って見ていた雲雀さんが、静かに歩き出した。
僕は慌てて、名前を呼びながら駆け寄った――。


「雲雀さん! 待って下…」

「ヒバリ!!」


怒鳴り声で、僕のセリフを消したのは――銀髪の男の人だった。
声から分かるように、怒っているみたいで、怖い顔して雲雀さんに近付いてくる。


「昨日、何で十代目の所に来なかった! 呼び出されてだろうが!!」

「…?」


昨日――…?
…あぁ、雲雀さんが帰っちゃった件ね。
けど、綱吉さんは気にしてなかったけどなー。
むしろ……。


『雲雀さんが来なかったんですけど、いいんですか?』

『いいよ。ヒバリさんは、そういう人だから。もう大分前から諦めてるよ』

『そ、そうですか』


――諦めてたよ。
綱吉さんは黒いけど、黒いけど、心が広いよねー。


「うるさいよ。僕は群れるのが嫌いなんだ」


おっと、思い出している内に会話が進んでる。
涼しげな顔で、雲雀さんが言った様子。
まだ不機嫌ではないようだ。


「てめぇも守護者だろうが!!」


銀髪の人も、食い下がるなぁ。
……ん?


「てめぇ…も?」


魚の骨が喉に引っ掛かったぐらいの疑問。
銀髪さんが一方的に、ピリピリする中、僕は控え目に発言した。


「あの…お取り込み中、申し訳ありませんが……貴方は、ボンゴレの方ですか?」

「あぁ! 俺は獄寺隼人、十代目の右腕だ!!」


怖い顔を雲雀さんから僕に向き変え、怒鳴り声のままで言う銀髪さん。


「! 貴方が獄寺隼人さんでしたか!」


これも昨日の綱吉さんとの会話だけど――


『あの、他のファミリーの方…せめて、幹部である守護者の方々とは顔を会わせておきたいのですが』

『あぁ、そうだね。けど、今はヒバリさん以外、出張任務中なんだ。…明日になれば、獄寺くんは帰ってくるけど』

『獄寺…?』

『自称、オレの右腕。で、嵐の守護者だよ』

『でしたら、明日、また此方に伺います』

『うん。そうして』


――というワケ。
本来なら、今日、昼頃にボンゴレ屋敷に行って紹介して貰うはずだったんだ。


「貴方がって…てめぇ、何者だ?」


どうやら、落ち着いてきたらしい。
顔は変わらないけど、声は低い落ち着いたものになった。


「僕は…昨日から雲雀さんの新しい部下として、キャバッローネファミリーボス、ディーノの元から来た火野春桜です」

「!! お前だったのかよ!」



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