遊び!遊ぶ!遊べ!

□晴れ来訪編
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「これから、よろしく頼むぞ! 春桜!!」

「はい」


笹川さんが差し出してきた手を握り、握手。
ちょっ…握力強い…!!
そんなに強く握らなくても大丈夫ですから!!


「うるさいよ」


そんな僕達に割って入ってきたのは…雲雀さん。
どうやら、騒ぎ(絶対に笹川さんが9割)を聞き、部屋から出て来たみたい。


「君…仕事は、どうしたの。笹川了平は出て行ってくれる」


僕、笹川さんの順で視線を移し、一言ずつ言っていく。
って…仕事っ!!


「も、申し訳ありません!!」


深ーく頭を下げて謝る。
これは僕が悪い。
どんな理由であれ、仕事を放ってしまった僕が。


「いいではないか! ヒバリぃ!!」


な、何を言い出すか!! 笹川さんは!
ほら! みるみる雲雀さんが不機嫌になっていらっしゃいます!!


「うるさい。ここは僕のアジトだ」


あぁ…トンファーまで構えてる。
…待て、これって巻き込まれる系ですか。


「やるのか!? ヒバリ!!」


うわ、笹川さんまで拳を構えちゃって…決定ですね。
って…待てぇぇぇ!!


「お待ち下さい! お二人共!!」

「僕に指図しないで」


――ガン!


止めに入るべく、笹川さんに背を向け、雲雀さんに正面を向き、二人の間に割って入った僕の額に、トンファー直撃。


「い゛っだ――!!!」


バランスを崩して後ろに倒れた僕を、笹川さんが受け止めてくれた。
額が、めちゃくちゃ痛いよ!!
脳みそが衝撃で揺れたからか…頭が、ぐわんぐわんする。


「ヒバリ! 女子に何をするのだ!!」


最もな正論と共に、怒りの声を上げる笹川さん。
でもね、


「だ、大丈夫ですよ。これは、雲雀さんなりの愛情表現ですから!」


未来の旦那様は照れ屋さんなんです!
だから、こういう愛情表現なんですよ!


「なっ! しかし、もう少し違う方法があるだろう!!」

「ですから、雲雀さんは照れ屋さんなんです! 未来の妻でしたら、受け入れなくてはダメでしょう?」

「つ、妻!? ヒバリ! 婚約者がいたのか!?」


今までにない、びっくり顔になる笹川さん。
知り合ったばかりだから、他のびっくり顔は知らないけどね。


「…勝手に話を作らないでくれる?」


チャキ! と、トンファーを構え直す雲雀さん。
本当に照れ屋さんなんですね!
そんな所も可愛くて好きですよ!


「……咬み殺す」


あ…僕の考えが分かったみたいです。
眉間に皺を寄せ、不機嫌オーラ全開。
けど、僕の考えが分かるなんて…以心伝心!
さすが、未来の旦那様です! 妻として感激ですよ!



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