遊び!遊ぶ!遊べ!

□晴れ来訪編
3ページ/3ページ




感激に、しばし浸っていると…。
トンファーを構え、咬み殺す体勢な雲雀さんに――笹川さんが食ってかかった。


「止めんか! ヒバリ!!」

「君から咬み殺されたいの?」

「ならば、拳を交えようではないか!!」


微妙に会話になってない気がするのは…僕の気のせいだろうか。


「決まりだね」

「うむ! 少し離れていろ、春桜」

「え、あ…」


今更かもしれないけど、今まで、笹川さんは僕を支えてくれていました。
親切な…優しい人ですね、はい。
で、その僕を廊下の端に。


「ま、待っ…」


…止めようとしたけど、無駄でした。
あっという間に戦闘は始まり、アジトの廊下が壊れていった。


「ぎゃー!! 誰かー!!」


うん、叫んでから気付いたけど――…この二人を止められる人って、ここのアジトにはいないよね。
てか、この戦闘の轟音の中、僕の叫びなんて聞こえるんだろうか。
まぁ、聞こえなくても、この轟音で人が駆け付けてきそうだけど!


「何事だ!!」


ほーらね、草壁さんがやってきたよ。
でもねー、草壁さんでは止めれないよねー。


「きょ、恭さん!? と、笹川さん?!」


そりゃ驚くよね。
あ、草壁さん危ない!


「ぐはっ!!」

「草壁さぁぁん!!」


とばっちりを食い、草壁さんは見事に吹き飛ばされてしまった。
……え、僕?
僕は死線を潜り抜けてきた女ですよ?
上手く隠れてるに決まってるじゃないですか。
普段は、現場みたいな緊張感がないと力が出せないだけさ。
ここは…まさに現場っていう空気じゃん。
お陰様で、とばっちりは回避できてます。


「わぁ…さすが、未来の旦那様だわ。強い!」


――鼻血が出るほど、戦闘中の雲雀さんは、かっこ良かった。
本当に鼻血が出たけど。
で、結局は二人の気が済むまで戦闘は続き――アジトは一部ボロボロ…。
草壁さんは一日入院する結果に……。


「仕事が増えた…!」



前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ