☆ハボアイ本棚☆
□聖夜
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大体会議だって大佐がやるって決めたわけじゃないんだし、大佐を恨むのは筋違いってことくらい分かってる。
それでも誰かを恨まずにはいられなかった。
「ハボック少尉、ちょっと」
「はい?」
だから返事がどうでもよさそうなものになってしまったのは許してほしい。
「罪滅ぼしというわけではないが…」
廊下に出ると、そう言って差し出された1枚の紙切れ。
「なんスか?ってこれっ!」
「もらったんだ。明日使わせてやることができなくて悪いが…」
それはセントラルでも5本の指に入るほどの超高級ホテルの宿泊券で。
しかもスィートルームときた。
12月末日までって期限はあるものの、いつ行っても泊まれるといういわゆる“VIP様向け”ってやつだ。
こんなもの、俺なんかが絶対に手にできる代物じゃない。
「でもいいんスか?こんな高価なもの…」
まさか買え、とか言うつもりじゃねぇだろうな!?
「もともとやるつもりだったよ。私はさっきも言った通り、去年から押さえているところがあるんでね。必要ないんだ」
「ぅう、大佐ぁぁ」
俺、一生あなたについていきます!
「わっ!抱きつくな!気持ち悪いっ!」
「何…してるんですか?」
思わず大佐にしがみついたトコをたまたま出てきた中尉に見られて固まらせてしまったけど。
「なんでもないっス」
笑いが止まらない俺を珍獣でも見るような目で見ると、向こうへ行ってしまった。
中尉!…じゃなくてリザ!
イブは仕方ないけど…
素敵な12月の夜を迎えましょうね!
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